スティーブ・ジョブズ：基調講演の王者 | The Apple Post

Apple Post 投稿日: 2017年2月8日

Appleは、エンターテイメント性に富んだ世界クラスの製品プレゼンテーションで有名で、世界中からメディアの注目を集めています（つまり、無料の広告です）。この評判を築いたのは誰なのか、議論の余地はありません。スティーブ・ジョブズの知名度とカリスマ性は、彼を「ビジネス界でロックスターに最も近い存在」にしました。1997年から2011年までのAppleでの2度目の在任期間中、彼は年に4～7回（もちろん、健康だった頃ですが）Appleに登壇し、彼のトレードマークである「基調講演」で新製品を発表しました。20代後半にはリハーサルを拒否する気まぐれな講演者として悪名高かった彼ですが、NeXTでその技を磨き上げ、業界最高のショーマンとしてAppleに復帰しました。

1990年代初頭、ブロードバンドインターネットやビデオストリーミングはまだ普及していなかったため、Appleの基調講演はより一般的でした。そのため、スティーブ・ジョブズは複数の都市を実際に訪れ、Appleの福音を説く必要があり、また、同社も新製品を発表するためのカンファレンスを開催する必要がありました。当時、ジョブズは1月のMacworldサンフランシスコ、2月のMacworld東京、5月か6月のWWDC、7月のMacworldニューヨーク、そして9月のパリApple Expoで講演を行いました。また、個別のメディアイベントや、デスクトップパブリッシングカンファレンスSeyboldでも頻繁に講演を行いました。

2000年代が進むにつれて、基調講演は少なくなってきました。オンラインビデオストリーミングが普及しただけでなく、Appleは新製品の発表の場として直営店チェーンに頼ることができました。同社は、店舗への来場者数の増加を理由に、Macworldショーから段階的に撤退していきました。スティーブはキャリアの終盤に近づくにつれて、夏の開発者会議（WWDC）の基調講演と秋のiPodイベントを含め、年間わずか4回程度の基調講演しか行わなくなりました。

スティーブ・ジョブズは通常、基調講演を会社の収益や店舗数といった企業ニュースから始めました。その後、ソフトウェアのアップグレードや製品ラインの刷新といったマイナー製品の紹介、ゲストスピーカー（開発者など）、製品デモ、新CMといったミニセグメントが続きました。そして最後に、最も重要な新製品を発表する最大の発表（通常はスティーブの「One More Thing…」というジョークが先行）が行われました。イベントによっては、最後にミュージシャンによるゲスト演奏で聴衆を楽しませることもありました。